そんな欲望を込めて、あたしは最高の演技を見せた。
「う…、酷いよ都築くん」
両手で顔を覆い、ついに肩を震わせた。
背中に感じる熱い温度を感じながら、自分の思いを彼に向ける。
「あたしは……2番目なの?」
凛子さんはどうするの?
あたしは一番ネックになっていた確信をついた。
まさか、同時進行なんてしないわよね?
そんなこと絶対させやしない。
凛子とあたし、どっちも好きなんだ。とかバカなことを言ったらただじゃおかないから。
「それともあたしは都合のいい女?彼女の居ない時の暇つぶし?今までずっと凛子さん一筋だった都築くんに急に好きだなんて言われてもそんなの…っ、すぐに納得なんてできないよ!」
「―――」
一瞬、彼の腕が弱まったのが分かった。
きっとそのセリフにハッとしたのね。
あたしはそんな彼に意識を集中させながら、泣き声の圧を上げていく。
「もしそうならあたしはそんなの嫌!都築くんを軽蔑するわ!彼女の手前そんなことできるわけない。だって彼女を裏切ることになるんだから!」



