人のモノ…


だけど…

すぐに返事なんてしないわよ。

もっとじらさなきゃ。

簡単に彼のいいなりになったら面白くないじゃない。

ギリギリまでじらして、しらして…

もっともっと強くあたしを求めてもらわないと……



「ま、まってっ…!ちょっと落ち着いて!」


そんな声をかけて、あたしはあたかも慌てた振りをみせる。


さあ、最終演技開始…

ここからが大事な場面よ。

このチャンスを失わないように、徹底的に完璧な演技を見せてやるんだから…


「えっと、都築くんの気持ちは分かったから。ほら、ね。少し落ち着いて!」

「ーーー」


私に肩を押された都築くんの驚いた顔…

ふふ、いい反応。最高の瞳…


「ごめん。少し整理、させて?お茶入れてくるから、少し待ってて」

「えっ……」


あからさまな戸惑いを向けたあたしは、キッチンの方へと足を向ける。