「だからかな。こんなに夢中になって惹きつけられるのは…」
「え?」
「クルクル表情を変える西條さんから時々目が離せなくなるっていうか…、もっとずっと見ていたくなるんだよ」
そう言った都築くんから完全に笑みが消えた。
突き刺さる彼の瞳。
まるでビー玉のように綺麗…
そんな澄んだ瞳に、思わず釘つけになってしまいそうになった瞬間
「西條さん。俺…、正直君みたいに掴みどころのない女の子は初めてなんだ。会えば会うほど実感する。西條さんのその表情を俺が独り占めできたらって……」
「えっ」
「分かってる。こんなこと……、こんなこと俺が言える立場じゃないって、不謹慎だってことぐらい。だけど……」
一瞬切なそうに顔を歪めた都築くん。
再びあたしに向かって手を伸ばし、そっと手首に触れて、そしてーー
「ダメだ。もう限界なんだ。気持ちが押さえられない。俺、西條さんが……」
「都築く……」
「好きだ」



