人のモノ…


「やっと笑った」


「え?」



そんなあたしを見て、笑うのをやめた都築くん。

手を伸ばしてあたしの頭をサラリと撫でた。


「だってさっきから泣きそうな顔してたからさ。……うん。やっぱり西條さんは自身満々に笑ってた方が似合ってるよ」



都築くん…

そんな言葉になぜか胸の奥が熱くなる。

あたしは一瞬無言になり、だけどその数秒後、彼に向ってこう言っていた。



「ねぇ、都築くんから見てあたしはどんなふうに映ってる?」

「え?」


不思議だった。

自分でも気付かぬうちにそんなことを喉の奥から出していた。


なんでかな?

都築くんといると時々自分でも予期せぬ感情が出てきてしまう。

他の男とは明らかに違う感情が…