あの男、今度会ったらただじゃおかない。
いっそあの時警察に突き出してやればよかったんだ。
「西條さん?どうかした?」
「――あ、ううん。できた。これで少しは血が治まるといいけど…」
傷口にガーゼを乗せて、その上から少しだけ包帯を巻いた。
あ~あ。名前も美華から西條さんに戻っちゃった。
もしあいつに会わなかったら、今頃はきっと甘い雰囲気だったかもしれないのに…
巻いた包帯を見つめながら、あたしは思わずため息をこぼす。
「これ、ちょっと大袈裟じゃない?」
「え?そうかな?」
「うん。でもありがとう」
「本当、ごめんね」
「ふっ。それ7回目」
「えっ」
「さっきから、それしか聞いてないけど?」
顔を上げると、ふっと笑った彼があたしの顔を覗きこんでいた。
「西條さんって意外と小心者なんだね?」
「えっ……」
小心者……
都築くんが笑ったまま、あたしの頭をポンと叩く。



