そこには黒のジャケットを羽織り、ベージュのチノパンを履いた男が立っていた。
………え?
それはどこかで見たことのある顔。そしてなじみ深い容姿…
「よお、久しぶりだな」
この男確か…
「こんな所で合うなんて奇遇だな。何?お前もここで飲んでるわけ?」
「………」
一瞬戸惑ってしまった。
名前が、出てこない。
「えっとあなたは…」
「は?何だよ。まさか俺の名前を忘れたとか言わないよな?」
「その、まさかなんだけど…」
明るめのベージュアッシュの髪。
そして両耳に飾られたうんざりするようなピアスの数…
顔は知ってるのに。
名前が、出てこない。



