人のモノ…


だって、その顔があまりにも醜かったから。


まるでこの世のものとは思えない悲惨な顔に、あたしは我慢できずに肩を震わせてしまう。



「ァハハ。最高!いいわねぇその顔。もう不細工すぎてホラーになってるわよ」


「――なっ!!」


「てか、元から大したことないのに、それ以上自分の価値を下げてどうするのよ!大丈夫?」



あたしは馬鹿にしたように口の端を上げる。


当の本人は相変わらずオロオロとして、何のアクションもないけれど、それでも笑わずにはいられない。



「ひょっとして、欲求不満なんじゃないの?」


「なんだってっ?」


「最近気持ちいいセックスしてないんじゃない?だからそんなに色気のないことしかできないのよ」



きっとそうね。


だからこんなに下品なことしかできないんだわ。