人のモノ…


都築……くん?


若干驚いたものの、すぐにそれは笑顔に変わる。



「ふふ。楽しみだなぁ~」


「ああ、期待して待ってて」



しっかりと握られた2人の手。


都築くんはその事には何も触れなかったけれど、タクシー乗る時も、お店に入る瞬間も、その手はずっと優しく握ったまま、離さないでいてくれた。




「西條さん何飲む?」


「あ、えっと。じゃああたしは……」



そんな彼に不覚にもドキドキしてしまったあたし。



だって格好いい…


その横顔、その仕草。




どうして?こんな気持ち…


そう思うのに。


久しぶりに感じるこの感覚に、なんだかとてもほわほわとして穏やかな気持ちになっていた。