人のモノ…


満足どころか、一度だってイケなかったし。


まるで自分よがりな傲慢な愛撫。


そのくせ「美華ちゃん、美華ちゃん」って、ねちっこく何度も迫られて。入れられて。


今思い出しても鳥肌が立つぐらいに、くだらない。



「あんなしょーもない男、2年も続いてただなんて、驚きよ」


「なっ……」


「よく我慢したわねぇ。あんな顔だけの三流男にずっと尽くしてたなんて、それこそ哀れでしょうがないわよ」


「っ!お前っ……!」



あたしの言葉を聞いて、髪の長い女があたしの胸ぐらを掴み上げる。


怒りに任せた鋭い殺気に、低い声。


ついにブチ切れた女が、私に勢いよく飛びかかってきたけれど





「ぷっ。酷い顔」



あたしは思わず噴き出してしまった。