「いや、まだ…決めれてないんだ」
「…そっか」
がっかりしたような類をみて申し訳なくなりながらもなんとか笑顔を作った。
すると、類は小さく息を吐いてから思い出したと言ったように言葉を続けた。
「あ、そうだ。ちょっと聞きたいことがあるんだ」
そういうと類は何か紙を持って来た。
「ん?」
「この族なんだけど…」
紙を覗き込めば1つのグループについて書いてあった。
「最近この辺りで派手に暴れてる紅嵐ってグループ」
「ほぅ…で?」
「黒龍とか白龍とかも幹部あたりには手を出されてないけど、下っ端の奴らは何人かやられてる」
「…トップは?」
「中瀬潤。四大龍を潰すのが目的だと思う」
全ての龍を潰す、ね。
上を潰せば下は簡単に潰れると思って黒と白に狙いを定めてるのか。
「夏樹は?」
「今紅嵐の情報集めてもらってる」
「そのまま続けてもらって。春真は?」
「今こっちに向かってる」
「春真には下の奴らに注意喚起と護身術鍛えてもらって」
「わかった」
「類は他のグループ、主に白と連絡とるように」
「了解」

