「朔のためだろ?」
「ん?」
盾にした悠斗を見上げれば優しい目と目があった。
「朔が瑠榎に対する陰口を気にしてるから、こうやって真面目にテスト受けたんだろ?」
「…まあ、うん」
的を射た答えに思わず視線を逸らした。
なぜバレた…。
そんなにわかりやすいか、私…。
「目立ちたくないくせに」
「うるさい。朔に言うなよ」
「はいはい」
悠斗には隠し事ができなくて、全部見透かされている気がして仕方がない。
隠したい事とか全部バレてるし。
「何者なんだよ」
「さあね」
「絶対正体突き止めてやる」
「ははは」
悠斗の乾いた笑いに悔しさを覚える。
くそ!
なんかバカにされてる気がする!!
テスト結果で勝ってるのに!

