「え?」
「あー…やっぱダメだったか」
「あれ、俺3位…?」
期末テストが終わり、結果が張り出された。
そして3人、主に朔に誘われていつも通りのメンバーで結果を見に来たわけなんだが。
目を点にしている朔と來輝くんに対して特に驚く様子もなく結果を受け止めている悠斗。
「あんまり驚いてないね」
「まあ、瑠榎の中学の時の情報も手に入れてたし。それに、先生方が間違え方が生徒がよく間違える間違え方しかしないって言ってたし」
腕を組んだまま答える悠斗にこっちが驚かさせられる。
「…情報通なの?」
「…それなりに?」
しれっと答える悠斗に面白くないなと思いつつもまた結果へと目をやった。
張り出された結果の10位の所に朔の名前があって、3位の所に來輝くんの名前、2位の所に悠斗の名前があった。
そして1位の所には私、藤堂瑠榎の名前がある。
「ちょっ…!瑠榎!!ど、どういう…!?」
「いや…うん」
放心状態から戻ってきた朔に詰められ、思わず視線を泳がせる。
「うん!?」
「目立てないから平均よりちょっと下になるようにいつもテストで点数を計算して間違えてたの」
両肩を掴まれたまま、視線を泳がせながら答えると掴まれていた手の力が緩んだ。
「え?平均なんていつも変わるのに…?」
「問題見れば大体の平均はわかるし…」
「え?」
再び目が点になった朔から逃げ、悠斗の後ろに隠れる。

