久しぶりの明るい静かな時間に、青い空を見て黒龍の事を思い出していた。


変わらず戻ってきて欲しいと言ってくれるアイツらに、私はズルズルと返事を先回しにしてしまっている。



「そろそろ腹決めないとなあ」



もう少しアイツらといたいという気持ちと、2年間も抜けていて今更のこのこと戻るなんてダメだろうという気持ちがずっと心の中でモヤモヤしていた。



「入ってもいいか?」

「あっ…うん!どうぞ」



ノックの音とドア越しの聞きなれた声にハッとして扉の方へ顔を向けた。



「今日も来てくれたんだ」



扉からひょっこりと顔を出した整った顔に思わず顔が緩む。



「まあ、休みの日って暇だし。する事ないから。それなら瑠榎に会いに来た方が楽しいし」



恥ずかしげもなく、爽やかな笑顔でサラッと答えてくれる悠斗に嬉しいけど恥ずかしいようなムズムズした気持ちで視線を下に向けた。


「何かあった?」

「え?」



思いがけない言葉に思わず顔を上げれば、心配そうな悠斗がいた。



「浮かない顔してたから」

「あぁ…まあ、ちょっと考え事かな」



まっすぐな目に見つめられると、関係ない話なのに巻き込んでしまいそうで。
また、弱いところを見せてしまいそうで顔を逸らしてしまった。