「気付けなくてごめんー…!」
「もう…泣かないでよ」
自由に動く右腕を朔の背中に回し、落ち着けるようにポンポンと叩いた。
「こんな私でも友達でいてくれる…?」
少し離れた朔は不安そうに揺れる目で私を捉える。
「私はずっと朔の友達でいたいとおもってるよ」
そんな朔が可愛くて、思わず笑顔になりながらも溢れ出ている涙を拭ってあげると余計に涙を流す。
「〜っ!!瑠榎あ!!」
「あー、いたいいたい!!」
また私に抱きついてくれたことによって左肩に激痛が走るけどそれすら嬉しく感じてしまうくらい、朔とまた笑いあえる事が嬉しかった。
「瑠榎ちゃん」
「來輝くん」
泣きそうな笑顔の來輝くんが朔越しに見える。
「無事で良かった…」
「心配かけてごめんなさい」
「これからは俺たちにも話してよ?」
「うん。…ありがとう」
こんな私を心配してくれて、許してくれて、また仲間に入れてくれるこの人達が大切で仕方ない。
「朔も、悠斗も。本当にありがとう」
鼻の奥がツンとして、少しだけ目頭が熱くなったけど、それでもこの3人に笑顔を向けた。

