「瑠榎!!」
「朔…」
左側を向けば、扉の向こうからは髪を乱した朔とその奥に來輝くんの姿があった。
「このバカ!!」
「さ、朔…」
朔が怒りながら私に近づいてくる。
「なんで私達に本当の事言ってくれなかったの!?友達じゃなかったの!?」
私のベッドの横まで来ると、私の目を見ながら怒っているのに大きな目からポロポロと涙をこぼした。
そして、次に朔の口から溢れるのは朔を責めるものだった。
「私がっ…瑠榎の答えに疑問持ってれば…!瑠榎の変化に気づけてれば…!瑠榎が1人で抱え込む事なかったのに!私がっ…!」
「朔。違うよ」
着ていたスカートを強く握っている朔の手に気付き、ゆっくりとまだ痛む肩を無視して手を伸ばした。
「私は朔がいたから、今こうやっていられるんだよ」
「瑠榎…」
大きな目に涙をいっぱい溜めている朔を見て、また泣かせてしまったと反省する。
「私は、私を守るために朔を傷付けた。…ごめん」
「…っばかあ!!」
「うぉっ…いっ…!」
勢いよく抱きついてきた朔を抱きとめるも左肩に激痛が走った。

