「そこからは結構早くて、みんなに助けてもらって瑠榎を探して、その間に黒川に返す金を返して、ってしてたらやっとお前が見つかった」
お兄ちゃんが学校から帰ってる私を見つけて、部屋を割り出して。
その後、知らない男が部屋に入っていくのを見て急いで部屋の前の扉から聞き耳を立てていたらしい。
「すぐにでも乗り込みたかったけど、あんまり派手に動けば西条に怒られるから…」
ふいっと西条さんから顔を背けて、拗ねたようにボソボソと話すお兄ちゃんに西条さんは困ったような顔をしていた。
「お頭は行動が派手なんですよ!」
「派手な方がかっこいいじゃん」
「そんな問題じゃないんです!」
「すみません、西条さん…」
だんだんと申し訳なくなってきて、お兄ちゃんの代わりに謝ってしまった。
「そんな!お嬢は何も悪くないんですから!」
「そうだぞ瑠榎。話戻すぞ」
「ほんと自由人なんだから…」
そして、その部屋に入って行った男の人というのが早川さんだったらしい。

