「ってなわけ。まあ色々必要なこととかはお兄ちゃんに教えてもらってたけど…。黒龍は知らなかったな。で、頭殴られて全部思いだいした。」
「そうだったんだ…」
気まずそうな顔をする朔に私は笑顔を向けた。
「ま。思い出せたってことは、受け入れれたってことだろうし、もう大丈夫だよ」
朔は私の目を見て少しだけ笑ってくれた。
「ぞうぢょー…」
すごい声が聞こえてきて、声のした方をみれば鼻水やら涙やらで顔をぐしゃぐしゃにした隼人がいた。
「うわっ!!隼人!泣くな!!きたねえ!!」
「俺…総長に捨てられたかと…」
涙を袖で拭う隼人を見て今更、罪悪感が溢れ出てきた。
「悪かった…」
「いえ!!いいんっす!!戻って来てくれたんっすから!!」
ニカッと笑った隼人に困ったように笑う事しかできない。
「…戻れないよ」
「え…なんでっすか!」
焦ったように聞いてくる隼人に笑顔を向けたまま答える。
「2年もいなかったんだ…いまさら…」
「そんな…!俺らの総長は瑠榎さんだけなんです!!」
頷く類や幹部の奴等…。
ごめんな…?

