四大龍と蘭帝



二年前、中2の冬。



「瑠榎ーっ!!お母さん、お父さんと旅行行くことになったの!!」



帰ってくるなり、ものすごい笑顔でソファに座っていた私に抱きついてきたお母さん。



「そうなの?よかったね!!」



つられて私も笑顔で返した。

パッと離れたお母さんは少し眉を下げて私を見た。



「でね?悪いんだけど…陸と留守番しててくれる?」


「いいよ!!ね!!お兄ちゃん!!」



同じくソファーでくつろいでいるお兄ちゃんの方を2人で見る。



「ん?あぁ…行っておいでよ」



優しい笑顔で答えてくれるお兄ちゃんはすごくかっこよかった。



「わーいっ!!ありがとっ」


「わかったわかった」



お母さんがぎゅーっと今度はお兄ちゃんに抱きつくと、お兄ちゃんは照れ臭そうにしていた。




ごく普通の家庭。

お父さんとお母さんはすっごくラブラブだったけど…。


お父さんはなんの仕事してるのかは知らないけど、忙しくて全然帰ってこなかったんだ。


だから旅行に行くって聞いて、素直に嬉しかった。



そして当日。
2人は車で旅行に出かけた。