「瑠榎!目が覚めたか!」
「類」
奥から走ってきたのは副総長の水野 類。
黒髪の爽やかイケメンだが、喧嘩は強い。
「悪い。瑠榎を殴ったやつ、昨日俺が仕留め損ねた奴だった。雑魚のくせに逃げるのだけは得意だったみたいでさ」
あと、顔に似合わず口が悪い。
「別にいいよ」
「シメといたけど、もうちょっと俺が早く戻ってきてれば怪我させなくて済んだのに…。てか、あんな雑魚にやられるとかどうしたんだよ。今まで顔も出さねえし、行方不明なりやがって。元気にしてたのか?」
シメた後だからか、イキイキした様子で矢継ぎ早に話す類を横目に目当ての人を探す。
「雑魚とか言うな。それより、朔…一緒にいた女の子は?」
「あぁ。そこにいるよ」
類の視線を辿れば、目を丸くした朔がいた。

