3人の姿を見送ってから自分の教室の扉を開ければ、騒がしかったはずの教室が急に静かになり、全員の視線が刺さる。



…なんかしたっけ。



無視されることはあっても注目されることはなかったから、思わず固まってしまう。


とりあえず席に座らないと、と思って足を踏み出せばざわざわとしだした。



「藤堂さんってなんで朔様達と一緒に行動してるの?」

「蘭帝に入るの?」

「いや、ここD組だぜ?」

「運動だって特別凄いわけじゃないし」

「蘭帝の条件、1個もクリアしてねえじゃん」

「釣り合ってない」




ポツポツと聞こえてくるのは朔達といることに対する疑問や不満。


わかってるよ。


少し下を向きかけた時、朔の笑顔が頭をよぎって、バッと顔を上げて堂々と歩いて席に着く。



あなた達になんて言われようと、朔達がそばにいてくれる限り私はもう折れない。

あなた達の言葉なんかより、朔達の言葉の方が何倍も大事だから。