4人で靴箱に向かい、靴を履き替える。



「ねえ、朔」


「ん?どうしたの?」


私が呼べば、綺麗な顔で可愛い笑顔を向けてくれる。

そんな朔に私も顔が緩んでしまう。



「無くなってた靴、戻してくれたのって朔達だよね?」


聞きたかったことを伝えれば、驚いたように目をまん丸にしてから目をキョロキョロと泳がせた。


「んん!?な、なんのこと?」


「…ふふ。誤魔化すの下手だね〜」



そんな様子の朔と私の後ろで呆れたように笑っている佐山くんと里仲くんに思わず笑い声が漏れてしまう。



「いやいや、私は何も知らないよ!?」


それでもまだ知らないふりをする朔と、呆れている2人に向き合うように立った。


「…ありがとう」


お礼を言えば観念したかのように朔が小さく息を吐いた。


「バレてたか…」

「俺らは瑠榎ちゃんが笑ってくれればそれでいいよ」

「うんうん」



私は最低なのに。

私が近くにいるだけで傷つくかもしれないのに…。

私が離れたくないから、この人達から離れなれない。