いつも通り、制服に腕を通す。
「よし」
全身鏡をみながら、普通の女子高生の姿の自分に呟く。
「って時間!!」
壁に掛かってある時計をみて急いで家を飛び出した。
「おっはよー!!」
学校に着くと、校門の所で待ってくれていたらしい朔の元気な声。
「おはよう」
ニコッと笑って挨拶をかえす。
「今日もかわいーっ!!」
「ちょ…ぐるじ…」
ぎゅーっと抱きついてくる朔…。
死ぬ…。
「あ。ごめん」
「ゲホ…大丈夫…」
「ホント朔は馬鹿力だなあ…」
そんなことをしていたら後ろから佐山くんと里仲くんが現れた。
「なによー、普通の力ですー!」
「馬鹿力だろ。大丈夫か?」
「あ、うん」
私の隣に立った里仲くんが、心配そうに声をかけてくれる。
整った顔に見られる事にまだ慣れていなくてすぐに視線を下へ逸らしてしまった。

