心の中で文句を言いながら自分の席へと向かう。


ガタ…


『え!?』


席に座った途端、全員が驚いたような声を上げた。

は?なに?



「お前…藤堂か?」



隣の席の一度も話したことのない男の子が、おそるおそるといったように声をかけてきた。

そして、その答えを聞きたいといった風に教室が静かになった。




「藤堂ですけど…?」


「嘘だろ!?そんなに変わるのかよ!」



答えを聞けばまた更にうるさくなる教室。

なんなんだよ。



「るーかー!!」


「うお!!」



少しうんざりしていると、勢いよく誰かに抱きつかれた。

まあ…誰かって言ってもこんな事する人は朔しかいないんだけど…。