翌日。
「瑠榎…まじで入っていいの?」
「いや、俺もなんでここにいるのかよくわからないんだけど」
黒龍の倉庫の前で私の後ろに隠れている朔とその後ろに隠れている來輝くんに思わず苦笑いをこぼす。
「そんなにビビらなくて大丈夫だよ…。私いるし」
「そ、そうなんだけど…」
「未だに瑠榎ちゃんが黒蝶って実感ないから、どうしても…」
「わかる」
私の後ろで意気投合している2人から隣にいる悠斗に視線を移す。
「悠斗は大丈夫そうだね」
「まあ、初めてじゃないし。それに、初めてここに来た時に怖い目にあってるからね。もう耐性ついた」
「耐性つくの早いな。まあ悠斗なら最悪、自分で切り抜けそうだもんね」
「流石にむりだわ」
即答で返ってきた返事に笑いながら、後ろから聞こえる制止する声は無視して扉を開けた。

