「あー…しぶとかった…」
ふらつく足でなんとか立って、口に溜まった血を地面に吐き出した。
私の目の前には中瀬が大の字で倒れている。
武器は使ってこなくても海と同じくらいの強さと言われていただけあって、なかなか倒れてはくれなかった。
「下は…」
下の様子が気になってなんとか足を動かそうとする。
「瑠榎!」
「悠斗…」
私を呼ぶ声が聞こえて、安定しない頭を上げて顔を向ければ悠斗が心配そうな顔でこっちに来てくれた。
「あ、2人やっつけてくれたんだ。怪我ない?」
辺りを見渡せば、幹部と思われる男2人も地面に蹲っていて、悠斗が相手をしてくれたんだとわかった。
「俺はどうでもいいんだよ!!」
「うぇ!?」
急に大きな声で怒られて変な声が出る。
「怪我は!?どこが痛い!?」
「えー…全身?」
「無茶すんなって言ってんだろ!!」
「ご、ごめんなさい」
いつもとは違ってすごく怒っていて怖い悠斗に大人しく謝る。
「救急箱とかどこ!」
「それより下が…」
「そんな体で行けるわけないだろ!」
一歩踏み出すと力が入らなくてふらついた体を支えられた。

