「だから、俺が黒龍なんて大したことない奴らの集まりだって、仲間も守れない奴らの集まりだって教えてやるんだよ」
「そんな理由で白龍の奴らを襲ったのか?」
白龍の奴らを思い出して思わず下を向いてしまう。
必死で仲間を守ろうと動いていた夏樹や黒龍の奴らの存在も知らないくせに。
「そうだね〜。白龍を潰せば、黒龍が庇えなかったのか、黒龍は何をしていたんだって周りは思うし、白龍もそこそこの強さだって噂されてたから俺たちの強さも周りに知らしめることができるし。紫龍や青龍は弱すぎて話にならないからね〜」
「お前のそんなくだらない理由で、白龍の奴らは怪我したのか…」
変わらず降り注ぐ声に体の横で拳を握りしめる。
青龍や紫龍の奴らがどれだけ頑張って、この辺りでの喧嘩を減らしてくれているか知らないくせに。
「そんな状態で、今もこんな状態なのに黒龍の総長は来ないんだもんなあ〜。やっぱり仲間を守るなんて言ってても、その程度の奴らの集まりなんだよ」
「あぁ、そうだな。来るのが遅れてあいつらに迷惑かけたと思ってるよ」
バカにしたように笑う中瀬に怒りが抑えきれなくなってくる。
握った拳により力がこもった。
「ん?まるで君が黒龍の総長みたいな言い方だね」
「そうだよ」
「…なんだって?」
私の言葉が信じられなかったのか、聞き返してくる中瀬を顔を上げて睨んだ。
「私が4代目総長、黒蝶だって言ってんだよ」
中瀬は一瞬目を見開き、驚いた顔をしたがすぐに笑い出した。

