四大龍と蘭帝




いつも楽しい気持ちで開けている扉を怒りを覚えながら開く。


そこには、いつも春真や類、夏樹と笑いながら話しているソファに寝転ぶように汚い靴を乗せている野郎と、部屋の中を物色している野郎が2人いた。



「あれぇ〜?柳と一緒にいた子じゃーん」



ソファに寝転んでいる奴が私を見て体を起こす。

語尾を伸ばす話し方がすごく癪に触る。

改めて見た中瀬は夕日で赤く見える銀色の髪に、耳は片耳に5個くらいのピアス。

そして、変わらない狂ったような目。



「今日は柳と一緒じゃないの〜?知らない男の子と一緒だけど〜」

「ここに何の用があって来た?」



ヘラヘラと笑いながら話す中瀬に怒りを抑えて冷静に話を続ける。



「んー、俺、黒龍とか嫌いなんだよね〜」

「嫌い?」

「そー」



スッと顔から笑顔が消え、その切り替えの早さに恐怖すら感じる。



「自分が1番だと信じて疑わない所とか、自分が正しいと信じて疑わない所とか。ほんと、大っ嫌いなんだよね」



そう言った中瀬の目からはなんの感情も感じられなかった。



「自分が1番だって言うくせに、仲間のグループは守れないし、今も下っ端たちだけなのに苦戦してる。大したことないくせに大きな顔してさ」



そう言いながら私との距離を詰めてくる中瀬を見上げた。