四大龍と蘭帝



「瑠榎」



怒りが収まらないまま騒がしい喧嘩が繰り広げられている空間から出れば、心配そうな顔をした悠斗がいた。



「悠斗…」

「帰れ、なんて言うなよ?」

「え…」



まさに今、怪我させたくないから帰ってほしいと言おうと思っていたから驚いてしまう。



「ここまで来たら最後まで付き合うよ」


そう言った悠斗は笑っていたけど、目は真剣で。

これは帰るように言っても無駄だと思って小さく息を吐いた。



「…ありがとう」

「うん」



優しく笑ってくれた悠斗に私も笑い返してから紅嵐の幹部たちがいるであろう上を見た。



「行こう」



私の宝物は私が守る。

そう心に決めてから階段に足をかけた。