「3人ともごめん。先帰る」
「え?瑠榎?」
「瑠榎ちゃん、どうしたの」
朔や來輝くんの言葉に返事する事なく、教室に置きっ放しだったカバンを掴みながら3人に謝ってから、教室を飛び出した。
「瑠榎!待て!俺も行く」
聞き慣れた声が後ろから聞こえて、足を止めて振り返れば同じように息を切らした悠斗がいた。
「悠斗…でも、これは黒龍の問題で…」
「俺は瑠榎を守るってその黒龍の人と約束してるんだよ」
すぐに私の隣まで追いついてきて、真剣な目を私に向ける。
そうだ…巻き込んだのはこっちだった…。
小さくため息をついてから、悠斗を見上げる。
「…わかった。怪我する前に逃げてよ?」
「善処する」
ニッと笑った悠斗に、また小さく息を吐いてから黒龍の倉庫へと急いだ。

