「じゃあ、何個か行きたいとこあげとくね!」

「うん。楽しみにしてる」

「今年は楽しい夏休みになりそう〜!!」



ウキウキと楽しそうな朔を見て、3人で思わず笑ってしまった。



「そろそろ帰ろうか」



まだ外は明るいけど、いい時間になって来たところで悠斗が腰を上げた。



「そうだね」


みんなで帰ろう、と私も立ち上がればスカートのポケットに入れていたケータイが震えた。


鳴り止まないって事は、電話か?



「ごめん、ちょっと電話してくる」

「はーい。ゆっくりでいいよー」



快く送り出してくれた朔達にもう一度謝ってから教室の外で電話にでる。



「もしもし。夏樹?どうした?」



ディスプレイに夏樹の文字が出ていた時からなんだか嫌な予感がしていた。



「瑠榎…!!黒龍が!!」

「どうした」



慌てた夏樹の声に心臓が嫌な音を立てて動き始める。



「紅嵐が今から黒龍を攻める!!今の時間は類も春真も居ない!!」



いつもこの時間は2人ともまだ倉庫に着いてない。

つまり、黒龍の倉庫に幹部は1人もいない状態だ。



「すぐ行く」



焦る気持ちを抑えて返事をしてから電話を切った。