隼人にも声をかけ、春真は私のシャツを握ったまま階段を上り、いつも通りにソファへ座れば、また私の腕にくっついた。

私の前には悠斗、斜め前には類が座っている。

そしてお誕生日席のように、他のところから椅子を持ってきて座らせた隼人がいる。



「類に怒られて、夏樹に推薦されたこともあり、一緒行動してくれるように頼んだ、里仲悠斗くんです」



類と春真、隼人に紹介する。



「君が里仲くんか…」

「はい。挨拶遅れてすみません」

「いや、こっちこそ急に変なこと頼んですみません。敬語なんて使わないで話してください」

「あ、うん。瑠榎は大切な友達だし、こんな頼み事なら喜んで受けるよ」

「ありがとう」

「…なんか、類って私のお父さんみたいだね」



2人のやりとりを黙って聞いていたけど、思わず思ったことが口から出てしまった。



「おい。ふざけてる場合じゃねぇんだよ」

「はい、すみません」



類に睨まれ、素直に謝る。



「悠斗さん!瑠榎さんのこと、よろしくお願いします!」

「俺の出来る範囲で、になっちゃうけどちゃんと瑠榎を守るよ」



隼人が頭を下げたのを笑顔で見守る悠斗。



「…瑠榎はあげないから」

「それは…瑠榎次第だと思うけど」

「え、なに。仲悪いの?」



腕に抱きつく力を強めて悠斗に威嚇する春真と余裕のある雰囲気で対応する悠斗に私は状況を把握できないでいた。