「で?その人、瑠榎の知り合い?」

「あぁ。学校でいつも一緒にいてくれる人」



すっかりいつも通りの類に悠斗を軽く紹介する。



「ど、どうも…」

「さっきはすみません。睨んじゃって…」



まだ少しびくびくしている悠斗に類が頭を下げた。



「いや、それは急に来たこっちが悪いので」



そんな類に慌てて胸の前で手を振りながら否定する悠斗。

いつも余裕ある悠斗がこんな風になってるの、貴重だなあ…。



「1番悪いのは瑠榎なので気にしないでください」

「はいはい。連絡もせずに連れてきて、無言で倉庫に入れて様子見て楽しんでいた私が1番悪いですー。すみませんでしたー」



少し口を尖らせながら謝れば、類から小さくため息が聞こえて、逃げるように目線を奥へと移した。

すると見慣れたブルーブラックのふわふわした頭が目に入った。



「あれ、瑠榎」

「春真ー」



私に気づいた春真に手を振れば、嬉しそうな笑顔をして小走りでこっちへ来た。



「最近よくここ来るから嬉しい」

「まあ、紅嵐のこともあるし。なにより、春真やみんなとまた話したいからな」



私より身長の大きい春真を見上げながら、笑顔で伝えればパアッと笑顔になった。