「そんな悠斗にお願いがあります」
「はい?」
急に改まった私を不思議そうな顔の悠斗がみる。
「しばらく私と行動を共にしてもらえませんか」
「うん?」
訳がわからないといった顔の悠斗に今までの経緯を話した。
「なるほどね」
「朔や來輝くんは喧嘩慣れしてないだろうし…。1人で行動したらみんながうるさいし…」
でも、悠斗ももう喧嘩してないだろうし。
危険しか伴わないこんなお願い、聞いてもらえる訳ないよね…。
自然と下がっていく目線。
1人でもなんとかなるだろうと思いながらも、断られる事が少し怖かった。
「いいよ」
「え!?」
「瑠榎が頼ってくれるなんてね〜」
断られると思っていた私はパッと頭をあげた。
本人の悠斗はどこか嬉しそうに、昔喧嘩しててよかったなんて呟いていた。
「え、いいの?」
「いいよ」
「相手、武器持ちだよ?」
「それはなおさら一緒にいたいね」
「…なんで?」
「俺が瑠榎を守りたいからだよ」
そう言った悠斗の顔は優しくて、胸の奥がギュッとなった。
「ありがとう」
「どういたしまして」
安心感があり、巻き込んでしまったという後ろめたさもあり。
でも、悠斗と少しでも長い時間を一緒に過ごせると思うとなんだか嬉しかった。

