次の日、お昼ご飯を食べた後に悠斗に話があると言って放課後に時間をもらった。
誰もいない屋上でいれば、後から悠斗が屋上へ来てくれた。
「どうした?」
「悠斗って、喧嘩できたんだね」
フェンスに背を預けている私に近づいてくる悠斗は驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔に変わった。
「…夏樹から聞いた?」
「うん」
「隠してたわけじゃないんだけど…。うん。黒蝶と同じくらいってよく言われた」
私の隣でフェンスに肩を預け、腕を組みながらこちらを向いて話してくれる。
「本当だったんだ…」
「瑠榎に助けられた時、この子が黒蝶だってすぐにわかったよ。顔知らないのにね」
優しい笑顔に少し顔が熱くなって思わず顔を逸らした。
顔がいいってずるい…。
「…夏樹とはいつ知り合ったの?」
「んー、中1の時に夏樹が探し回ってた情報をあげたのがきっかけだったかな?」
首を傾げながら私と同じようにフェンスに背中を預けるように体制を変えた。
「へぇ…」
「それから情報を貰ったりあげたりしてなんか仲良くなってた」
「夏樹が黒龍だっていつ知ったの?」
「中1の時。これでも情報屋だからね」
得意げに笑う悠斗に向かい合うように、悠斗の前に立った。

