白龍襲撃の騒動は何人かが病院に運ばれたが、なんとか皆命の危険までは行かずに済んだ。
そして黒龍の幹部室では話し合いが行われた。
「紅嵐は白龍を襲うことを急に決めたのか?」
「ああ。気まぐれみたいに決めたみたいだった」
斜め前に座っている夏樹が辛そうに話してくれる。
「俺、紅嵐の中でも結構上の方にいるんだけど、幹部にはなってなくて。今回襲撃したのは幹部だけだったから連絡が来なかったんだと思う」
「そうか。…黒龍には多分幹部だけでは来ないはずだから何か情報がわかれば教えてくれ」
「わかった」
「あと、類と春真。お前らは顔が知られてる。まあ、今回の件で私も顔を見られたわけだが…。黒龍の幹部ってだけで狙われる確率は高い。出来るだけ1人で行動するな」
「わかった」
「じゃあ瑠榎といる」
目の前の類はすぐに了承してくれたのに対し、隣で私の腕にくっついている春真は甘えん坊を遺憾なく発揮した。
「無理だろ。学校違うし」
「えぇー…」
「類と同じ学校なんだから類と行動して」
「…わかった」
渋々といった風に了承してくれた春真の頭を撫でる。