「なんで止めた!?」



静かな倉庫に春真の声が響き、私を睨む。



「リスクが高すぎる」



そんな春真の横を通り過ぎ、部屋の中にいる海たちの所へ向かう。



「こんなにやられてるのにやり返さないのかよ!!」

「やり返すに決まってんだろ」



私の低い声に春真が言葉を詰まらせたのがわかった。



「ただ、今の状況だと救護が先だ。もし海たちを人質に取られたらこっちが動けなくなる。この状態で逃げろなんて言えねぇし」



春真に言いながらも自分に言い聞かせるように話す。

そして、海や幹部のみんなの状況を見て病院へ連れていくべきか否か判断していった。



「紅嵐は必ず私が潰す」



怒りで煮え返りそうな腹のなかをなんとか抑え込み、下の様子も確認するために部屋から出た。