後ろにバランスを崩し、後ろにいた春真に支えられる。
見上げれば威嚇するように中瀬を睨む春真がいた。
「あれ、柳じゃん」
中瀬の目は春真に移っている。
「あ、柳の女だった?かわいいねー」
「てめぇ…」
私を隠すように春真が前に出る。
「ふふ。柳が来たって事は黒龍が来るって事だろうし、退散するよ」
「おい…っ!」
「待て、春真」
楽しそうに階段を降り始めた中瀬を追うように動こうとした春真を止める。
すると幹部室の中から仲間であろう男2人が出てきて中瀬の後をついていく。
「じゃあね〜。また、黒龍にもお邪魔させてもらうよ」
手をひらひらと振りながら倉庫から出て行く奴らをただ見送った。

