「なん、だ…これ…」
倉庫に着いて中へ入れば白龍のメンバーが床にうずくまっていた。
「おい!大丈夫か!?」
近くにいた1人に駆け寄れば、薄く目を開けて口を開いた。
「う…か、海さん…」
「海がどうした!?」
「上に…」
声を出すのもやっとの様子でつぶやいた言葉に上に海がいて、何かあったことがわかった。
「くそっ…!春真!!」
「わかってる!」
春真に指示を出そうと顔を上げれば、すでに電話をしていてこの惨状と助けを類に連絡してくれているのがわかった。
その様子を見てから私は階段を駆け上がり、幹部室の扉を開けた。
そこに広がっていたのは下で見た光景と変わらないものだった。
「あれ〜?まだいたのー?」
扉の真正面に立っている男はが持っている鉄パイプを肩にもたれさせながら、ゆっくりと振り返る。
男の目は正気ではなく、顔には返り血が少し付いていてこの惨状を作り上げた本人であるとわかる。
部屋を見渡せば男の他に2人ほど居てそれぞれの男の足元には白龍の幹部たちがうずくまっているのが見えた。
「誰だ、てめぇ…」
怒りがこみ上げる中でなんとか声を出す。

