その後、紫龍にも同じように話をしてから紫龍の倉庫を出た。
バイクの前まで来ると、ケータイが震えた。
ディスプレイを確認すれば、夏樹からの電話だった。
「夏樹?どうした」
「瑠榎!白龍が!!」
「は?」
慌てている夏樹の声に私はすぐに情報を処理しきれなかった。
「すぐに行ってくれ!」
「あっ!おい…!!」
詳しく説明を聞こうとしたが、すでに耳には機械音しか聞こえなかった。
「瑠榎?どうしたの?」
「わかんねぇけど、とりあえず白龍に急いで向かって」
「わかった」
ケータイをポケットに入れながらマスクとフードを取り、春真から受け取ったヘルメットを被る。
「しっかり掴まっといてよ」
「おぅ」
春真の言葉に後ろからぎゅっと抱きつけば、バイクが走り出した。

