「今日は見たことない連れがいるんだなあ?ちっさいなあ!お前の女か?」
「さあな。てか、お前だれ?」
「なっ!?」
興味ない、といった風に答える春真に背後の男が怒っているのがわかる。
「てめぇ…舐めてんのか?」
「いや?」
「この女がどうなってもいいのか!?」
飄々としている春真にイライラが増しているのだろう、声がでかくなっていく。
正直、うるさい。
なんて思っていたらお仲間がゾロゾロと4人ほど出てきて、春真と私を囲むように立つ。
「そいつに触れたら、どうなるか知らねぇぞ」
「そんなにコイツが大事なのか?」
春真が少し声のトーンを下げたからか、嬉しそうに私の肩を掴んだ。
なんなんだよ、こいつ。急に人の肩掴んでんじゃねぇよ。
「この女を殴られたくなかったら、俺らにお前がボロボロになるまで殴らせろ」
「嫌」
「…じゃあ、この女を殴るぞ」
「そんな事、させる訳ねぇだろ」
そう言って、楽しそうに笑ってからそばに居た奴を殴って倒した。
「さあ、来い」
楽しそうだなあ、おい。
そして、何も考えずに突っ込んで行ったお仲間は春真によって瞬殺された。
「あとはお前だけだなあ」
鋭い視線が男を捉え、男はビビったのか私の肩を抱くように掴んだ。
「近づけばこの女を殴るぞ!!」
「だってさー」
手に力が入って握られている肩に少しの痛みが走る。
「痛ってぇな」
「え?」
低めの声が出てしまい、男は驚いたような声を上げる。
「チッ…」
その隙をついて腹と足の甲に一発ずつ、肘と踵でお見舞いして少し距離が出来てから顎に一発ストレートを決めた。

