「じゃあ、青から順番に回ってくる。何かあれば連絡して」

「わかりました!!」



隼人に見送られながら、春真の後ろに乗って目的地へと向かった。



「俺のパーカーでよかったの?」



倉庫から少し離れたところにバイクを止め、ヘルメットを春真に渡していると、春真が私の服装について聞いてくる。

春真から借りた黒のパーカーを着ていることでスカートがほぼ見えない。



「まあ、学校バレたくないし。青は私の顔知らない奴がほとんどだしなあ…。あんまり身バレしたくないから、助かってる」



マスクをつけてからフードを被り、準備万端にしてから春真を見ると優しい顔で笑っていて少し驚いた。



「ぶかぶかだね」

「体の大きさが違うからな」



なぜか少し気まずくて春真を見ることが出来ずに先に青龍の倉庫へと足を進めた。



「喧嘩しにくそう」

「今日はするつもりないから大丈夫」

「でも、俺といたら絡まれると思うよ?」

「え?」

「よぉ、柳ぃ〜」



少しトーンが下がった春真の声に振り返れば、背後から声が降ってきた。



「ほらね」

「まじか…」



喧嘩モードに入りかけている春真を見て私は肩を落とした。