「春真。悪いんだけどさ、白龍の奴らに武器を持ってる相手とか大人数の人から隙を作って逃げる方法を教えてやってくれない?」



隣の春真に頼めば、ニッと笑ってくれる。



「いいよ。瑠榎の頼みなら」

「ありがとう」



春真の頭を撫でてから、夏樹と類に視線を戻す。



「夏樹は今のまま情報を集めて欲しい。でも怪我しそうならすぐに撤退すること。何かあれば私に連絡すること」

「りょーかい」

「類もこのまま白と連絡取り続けて。頻繁に春真が出入りすると思うから、紫と青にも気を配ってやって欲しい」

「わかった」



深呼吸をしてから、3人の顔を見渡した。



「黒は私が責任を持って守る」



小さく笑ってくれたみんなに安心する。



「じゃあ、各自何かあれば連絡して」

「へい」

「もち」



類と夏樹の返事を聞いた後に春真が腕に抱きつく力を強めた。



「瑠榎も白龍に顔だしてくれる?」

「そうだな。ちょくちょく顔出すつもりだし、今から青、紫、白の順番で回るぞ?」



不安そうな顔をこちらに向ける春真を不思議に思いながら答える。



「ついていってもいい?」

「いいけど。どうした?」

「どうもしない。バイク用意してくる」



パッと離れて部屋から出ていった春真に首を傾げる。