四大龍と蘭帝



「たっだいまーっと」

「おっせぇな」

「うぉ!!瑠榎!!」



呑気に入ってきた類を睨むと驚いたように後ろに飛びのく。



「早く座れや」

「ごめん〜」



こいつはワイルドなんかじゃねぇわ。

チャラチャラ系だ、チャラチャラ系。



「で?紅嵐が動くのか?」



類が夏樹の隣、私の真正面に座ったのを見てから本題に入った。



「あぁ。紅嵐がそろそろ動く。正確な日程まではまだ決まってないけど」

「…夏樹。また潜入してたのか?」



夏樹が話してくれる情報に迷いがない。
という事は、自分の耳で聞いたってことだろ。



「まあ…」

「類。聞いてないぞ」



気まずそうに目を泳がせる夏樹から目の前にいる類に視線を移す。

潜入する時には必ず私に報告する事を約束させていた。
何かあった時にすぐに対応できるように、この約束だけは守るようにと。



「…悪い」



視線を下げた類に我に返った。



「いや…悪い。急に戻ってきたのに報告するも何もないよな」



髪をぐしゃぐしゃとしてモヤモヤした心の中を落ち着かせる。



「瑠榎…」

「俺が瑠榎が戻ったって聞いた時に言えばよかった。ごめん。心配してくれてありがと」



落ち込んでいる類と少し困ったように笑ってくれる夏樹に大きくため息をついた。



「ほんと、ごめん。続けよう」