昼休みに朔が教室まで迎えにきてくれ、いつも通り屋上へ向かう。
「瑠榎、なんだか嬉しそうだね」
横から私の顔を覗く朔に笑顔を見せた。
「うん。友達ができた」
「え!?よかったじゃん!」
「うん」
「今度紹介してね!」
「もちろん」
朔まで嬉しそうにしてくれ、2人で幸せな気分で屋上へと足を踏み入れた。
「遅いぞー」
「ごめん」
フェンスにもたれながらグデーっとしている來輝くんと優しく笑ってくれている悠斗に謝りながら、近づく。
そして4人で輪になってご飯を食べ始めた。
「あの、さ」
「ん?」
私が言葉を発せば、みんながこっちを見てくれる。
「私、黒龍に戻ることにした。みんなには言っておこうと思って…」
「え…本当に?」
驚いた様子の朔に頷く。
「うん。やっぱりあの場所に居たいから」
「そっか…そっか!!」
笑ってくれるみんなに嬉しく思いながら、これから先、みんなに他のグループから狙われる危険が無いとは言い切れないことを申し訳なく思った。
「もし、私が原因で何かあれば言ってね?」
「わかった」
「瑠榎ちゃんが居たいと思える場所が増えてよかった」
「ありがとう」
みんなもそんな事は分かっているだろうけど、私の意思を尊重してくれる事がすごく嬉しくて、ありがたくて。
この人達と居るだけで笑顔になれる。

