「いなかった期間がどうとか、そんなのどうでもいいんだよ」



そう言った類の顔は苦しそうで、少しだけ泣きそうに見えた。



「瑠榎が居なくなってから、俺が代わりになってたけど。やっぱり重いんだよ…」

「類…」

「俺にはまだ、黒龍も他のグループも背負う覚悟ができてないんだ。さっき瑠榎が指示を出してくれて、本当に安心した」



そして、類と隼人が扉の向こうにいるメンバーの前に立った。



「だから…戻って来てください」

「まだ、俺はここで瑠榎さんに付いていきたいです!!」



2人揃って頭を下げられ、少しだけ鼻の奥がツンとした。



「俺からもお願いしていいかなー?」

「春真…」



ひょっこりと扉から顔を出したのは特攻隊長を任せていた柳春真だった。



「ここに来てくれたって事は少しは未練があるんでしょ?」

「お前ら、ほんと…私なんかに…バカだなあ」



いつのまにか私の目には涙が溜まっていた。

倉庫の中の雰囲気、人の良さ、そして仲間を信頼すること。

私がいた時と何も変わってない…。



「私はここに戻って来たい。みんなと一緒にまだ過ごしたいんだ」

「瑠榎さん…!」



みんなの顔が歪んで見えなくて、溢れそうになる涙に思わず下を向いた。



「でも、みんな私がいない事が当たり前で、私なんかいなくてもいいだろうし、今更戻る事なんて許されないと思ってた。…私はバカだなあ。こんなにも暖かい場所だって1番知っていたはずなのに…」

「戻ってきてくれるんですか?」



隼人の不安そうな声に、涙を拭いて顔を上げてみんなの顔を見渡す。



「私はまだ、ここにいたいです。また、みんなと一緒に過ごさせてください」



そして、頭を下げればすごく静かな時間が流れた。