「総長…」



隼人の声にハッとした。



「あ。ごめん。なんか命令しちゃった」

「なんで謝るんだよ」



怪訝そうな顔で私を見る類から視線を逸らして答える。



「いや、だって…答えも出してない半端者なのに」

「じゃあ戻って来るって今返事したらいいじゃん」

「いや…」



類のまっすぐな目から逃げるように目を泳がせていると扉をノックする音が聞こえた。



「失礼します!」



扉が開けば大勢の黒龍のメンバーがいた。



「瑠榎さん!戻って来てください!」

「え…」



厳つい奴らが全員頭を下げている光景が広がる。



「どうしたんだよ、お前ら…」



バッと顔を上げたみんなは、どこか必死で。



「ずっと、俺たちも瑠榎さんのことを探してました!まだまだ教えて欲しいことがあるんです!なので!!黒龍のトップに立ってください!!」



こんな私を必要だと訴えてくれる。



「でも…私はほぼ2年、いなかったんだよ」
「それがどうした」

「え…?」



私の言葉を遮るように類が言葉を発した。