窓の外を見るとザーザーとうるさいくらいの雨が降り注いでいた。

まるで今の私の心を映しているようだ。

もともと胸騒ぎはしていた。君からのメールで“話がある”なんてそんな滅多なこと。

女の勘は当たるというもので…案の定、君の話があるってのは私にとって悲しい話だった。



「すまねぇ、別れて欲しい。」

なんで…そんな小さく呟いた声も雨音に消されてしまった。

君は頭を下げて本当にいっぱいいっぱいという顔をしていて。

私だってそんな顔が見たい訳じゃない。
ただ君の笑顔が好きなだけだった。

いつから変わってしまったのかな。

「わかった。でも一つだけ聞いてほしいの。」

うん。と頷く君は今まで見てきた中で一番男らしくて一番真剣だった。

今まで…本当にありがとう。

うまく伝えられなくて小さくでた声も雨音に紛れながら君に届いたようだった。



「俺こそ今まで本当にありがとう。好きだった。」