居心地の悪さにしたを向いたとき、

 これまでひとことも言葉を発しなかった坊っちゃんが急に立ちあがった



「…大体何を揉めてるかは察しがつくけど、


 俺とマリアがそういう関係にならなければいいんでしょう?」



 坊っちゃんが奥様を睨みつける



 一瞬奥様が怯んだが、


 急にあることに気付いたらしく



「そう…そういうこと…」



 としきりに繰り返し、そして私に笑顔を向け



「学校や生活の心配は何もしなくていいから、


 律をよろしく頼むわね、マリア」



 そして次の日から、私は坊っちゃんの世話係になった。