「片桐さん、車をお願いします」



 学校へ行く時間が迫り、

 内線で運転手の片桐さんへ連絡する



 振り返ると坊っちゃんはもうすでに身支度を調えてられていて。



 最後に私がネクタイを直すと、じっと坊っちゃんが私の顔を見ていた




「…私の顔に何かついていますか?」


「目、隈ができてる」




 すっと目元に指を這わす




「申し訳ありません、昨夜遅くまで起きていたものですから


 お気づかい、ありがとうございます」




 やだな、気づかれるほどのクマができてたなんて


 でも先に坊っちゃんを車に乗せなければいけないので

 足早に坊っちゃんを門へ連れ出した