「…本当にこのまま抱かれるつもり?」



 坊っちゃんが私を見下ろして言う



「…もし同じこと親父に言われても、

 マリアは言うこと聞くの?」



 はっきりとわかるくらい声が震えている




「旦那様はそのようなこと…」


「わかってる!


 だから、聞いてるんだろ!?」




 坊っちゃんが声を荒げるのを聞くのは


 これが初めてだった